アイダ P.ロルフ博士は、1920年にコロンビア大学医学部で生化学の博士号を取得し、その後12年間ロックフェラー研究所の有機化学及び化学療法の部門で勤務しました。
また、1930年代の10年間を自分自身の健康上の問題と息子の側湾症の解決策を捜して過ごし、当時の医学的治療手段に強い不満を抱いていた彼女が向かったのは、オステオパシー、カイロプラクティック、ヨーガ、アレクサンダー・テク二ーク、ホメオパシーといった代替的手法探索の道のりでした。
1940年代には独自のワークを行うようになっていた彼女の元には助けを求める人々が詰め掛ける
ようになっていました。当時、彼女は科学的な視点を重きとしていましたが、他の療法では助けを得られなかった慢性的な障害を持つ人々への施術を通して、その解決策の多くは直感的なものを通じてもたらされたといいます。このようにして発展していった彼女の技法を、のちにストラクチュラル・インテグレーション(SI)の名で知られるようになります。
※ストラクチュラル・インテグレーションとは、ロルフメソッドやロルフィングの別名でも知られています。
ロルフィングという名称は、彼女のクライアントであった人が名づけたニックネームでロルフィングは現在、ロルフ研究所のメンバーだけが活動に使用することのできる登録商標となっています。
アイダ・ロルフ博士は、1960年代半ばにカリフォルニアのエサレン研究所に招かれ,そこで施術者と教師の養成を始ました。彼女が教えれば教える程、より多くの生徒がトレーニングクラスへ入りたがり、新聞や雑誌がアイダ・ロルフその人やその施術について特集し始め、すぐにでも正式な組織を創る必要性が明らかになりました。
1967年という早い時期から、第一次GSI (Guild for Structural Integration)が形作られ始め、後にコロラド州ボールダーに拠点が置かれる事となります。
その7年後の1974年に第一次GSI はロルフ研究所へと名称変更がなされました。
さらにロルフ博士が亡くなった後の1989年には、第一次GSIの設立者達がロルフ研究所から分離、独立し、GSI(第二次GSI)を再生させました。
現在、ボールダーを拠点とするの研究教育機関が2つ存在しているのはこのような経緯によります。
また、その他にも、数多くのストラクチュラル・インテグレーション施術者養成学校が存在します。
それぞれの学校が少しずつ異なる点を強調しつつ、独自の施術者教育を行っていますが、ロルフ博士の遺したセッションのレシピを教育の基幹に据えているという点では共通しています。